赤ちゃんが嘔吐したときの原因や対処法・注意点を解説

2023年11月10日10:11 AM [未分類]

皆さんこんにちは!今回は赤ちゃんの嘔吐について説明していきますね。赤ちゃんはよく嘔吐するものと思っていても、実際に嘔吐すると心配になりますよね。様子を見ていてもいいのか、受診が必要なのか色々考えてしまうと思います。ここでは嘔吐したときにどうしたらいいのか、受診の必要な目安やタイミングを説明します。特に「診察時間内に受診すればよいケース」と「診察時間外でも受診したほうがよいケース」の違いをよくチェックしておくと、適切に対応できて安心です。

目次

☆赤ちゃんが嘔吐する原因

☆赤ちゃんが嘔吐したときの対処法

☆赤ちゃんが嘔吐したときの注意点、受診のタイミング

☆嘔吐を伴う注意したい病気

☆赤ちゃんが嘔吐する原因

嘔吐とは、食べたものを意図せず強制的に口から排出させる状態の事です。生まれたばかりの赤ちゃんには、生理的な嘔吐があります。赤ちゃんの胃袋は、大人と比べて形が少し違っていることや、胃の入り口の締め付けが緩く、未熟な作りになっています。 例えばミルクを飲んだ後に口の端からだらだらと出てきてしまったり(溢乳(いつにゅう))、げっぷと一緒に吐く、よく泣いたあと、寝返りを打ったとき、ウンチを気張った時、などにも口からミルクが出てきたりなど、ちょっとしたことで吐いてしまいます。これらの場合は問題ないことが殆どです。中には病気の可能性もありますので、これからポイントを踏まえてみていきましょう。生理的な嘔吐は1歳くらいでほとんど治まってきます。

☆赤ちゃんが嘔吐したときの対処法

・吐いてしまっても慌てないようにしましょう

・まず、吐いてしまったら十分にげっぷが出来ていない場合が殆どです。縦抱きでもう一度げっぷを試してみてください。げっぷが出なくても、少し落ち着くまでは約10分くらい縦抱きをして優しく背中をさすってあげてください。

・吐いたもので窒息することもあるので寝かせる時は体を横にして、仰向けにならないように丸めたバスタオルなどを背中に置いてみたり、体を横向けに、また上体を高めにして寝かせたりしてあげてください。寝かせる時に頭のあたりにタオルを1枚敷いておくと嘔吐で汚れてもすぐ取り換えられることができます。

・口や首回りが汚れたら、すぐふき取り、嘔吐が落ち着いていたら着替えさせてください。寒くなければシャワーで流してもいいでしょう。また、離乳食を食べる時期では口の中に吐物が残っているので濡らしたガーゼや歯磨きシートなどで口の中をふき取ってあげてください。

・飲みすぎで嘔吐してしまうことが考えられる場合は1回の授乳量を少なめにし、授乳回数を1~2回/日増やすようにしてみてください。

・感染性の胃腸炎(いわゆる胃腸風邪)の場合は嘔吐のほかに、発熱、下痢も併発していきます。それらの症状がないかも確認してください。

・感染性の胃腸炎が疑われる場合は、嘔吐や下痢にはウイルスや細菌が多く含まれているため、ご家族の二次感染を予防してください。吐物処理を行うときは使い捨て手袋やマスクなどで処理を行い、その後必ず石鹸等でしっかり手を洗い、うがいを行ってください。トイレや吐物、便の付いた床や衣類の消毒を行うには次亜塩素酸ナトリウム(ハイター等)が有効で、0.1%(1L の水にペットボトルのキャップ4杯を薄めてください)を作り、拭いてください。

嘔吐を繰り返す場合は脱水症状に注意してください

繰り返す嘔吐は脱水の恐れがあります。嘔吐直後に水分を飲ませるとまた嘔吐を誘発させてしまいます。もし赤ちゃんが欲しがるようでも、30分~1時間ほど待ち、嘔気が治まってからスプーン1杯程度を10分程度の間隔で少しずつ水分を与えるようにしてください。ある程度水分が採れたら、授乳時はミルク等をいつもより量を減らして様子を見てください。離乳食の場合ははじめに消化の良い炭水化物を様子を見ながら少しずつ与えてみてください。

・嘔吐時に避ける食事

ジュース、牛乳、炭酸飲料、乳酸菌飲料、ヨーグルト、カレーなど香辛料の効いたもの、柑橘類、脂っこいもの、固形物等。

・嘔吐時に適した食事

白湯、麦茶、母乳、ミルク、経口補水液(赤ちゃん用)、お粥、人参、白菜、ジャガイモ、大根、リンゴ、豆腐、白身魚等を柔らかく炊いたり、すりつぶしたりして少しずつ与えてみてください。

☆赤ちゃんが嘔吐したときの注意点、受診のタイミング

嘔吐しても様子を見て良いケース

授乳後によく吐く赤ちゃんでも、吐いた後もケロッとして元気、機嫌もよい。食欲がある、尿・便の回数がいつも通りで減っていない、順調に体重が増加していっている場合は様子観察でいいでしょう。体重が気になる場合はショッピングセンターの授乳室等に設置している体重計で体重の推移をみていってもいいでしょう。(体重増加の目安は1日に20g以上です)

嘔吐で診療時間内に受診が必要なケース

・生後6か月以降になると風邪をひいたり、お腹を壊したりして嘔吐することがよくおこってきます。吐いた後も、少しずつ水分をとって、苦しそうでなければあまり心配は無いでしょう。夜間や休日であれば翌日の診療時間内に念のため受診しておきましょう。

・1日の嘔吐の回数は少ないものの、数日に渡って嘔吐を繰り返し、体重の増えが良くない場合も受診したほうがよいでしょう

・生まれたばかりの赤ちゃんが、授乳直後に急に噴水のように飲んだものを嘔吐し、体重が増えないことがあります。この場合は早めに受診してください。

嘔吐で夜間・休日でも受診が必要なケース

・生後6か月くらいまでの赤ちゃんで、短時間に何度も吐く、下痢や発熱などの症状がある

・嘔吐の内容に血液(茶色も含む)、や緑色のもの(胆汁)が混ざる

・何度も嘔吐した後、コーヒーかすの様な色の吐物や黄色の液を吐くようになった

・頭を打った後、繰り返し嘔吐する場合。頭を打ってから24時間は嘔吐に注意してください。

嘔吐のほかにこんな症状が現れたらすぐ受診してください。

・けいれん(ひきつけ)を起こす

・意識がぼんやりして、呼んでも応えない

・ぐったりしていたり、うとうとしていたりしている

・おしっこが半日以上出ていない、あるいはおしっこが出ても、濃くて少ない

・唇や舌が乾燥している

・顔色が悪い

・水分を受け付けない

・ひどく機嫌が悪い

・下痢が止まらない

・便に血が混じる

・10~30分おきに火が付いたように激しく泣く、ひどく不機嫌になる事を繰り返す

☆嘔吐を伴う注意したい病気

幽門狭窄症

生後3~4週間の赤ちゃんが授乳後、突然飲んだものを噴水のように勢いよく大量に吐くという症状があります。これは肥厚性幽門狭窄症という生まれつきの病気の可能性があります。胃から腸への出口にあたる幽門の筋肉が肥厚して狭くなり、飲んだものの通過が悪くなる病気です。吐いた後は、機嫌よく、再度母乳やミルクなどを欲しがります。また、体重が増えないのも特徴です。治療の中には手術が必要なケースもあり、受診が必要になります。

感染性胃腸炎

食中毒を含む胃腸炎でも同様の症状がみられます。必ずしも嘔吐・下痢・発熱の症状が同時に出てくるとは限りません。半日か~2日くらいで症状が出そろうのが普通の経過です。症状が軽い場合はホームケアのみで治ってしまうことも多く、治療や点滴はその赤ちゃんの重症度によって変わります。

 

脳出血

頭を強く打つと「脳震盪」(のうしんとう)を起こして何回か吐くことがあります。一番心配なのは頭の中に出血がないかどうかです。嘔吐しても脳震盪なのか、脳出血なのかを正確に判断することは難しいため、受診が必要になってきます。頭を強く打った24時間以内に、顔色が悪くぐったりしている、意識がない、つねっても反応が鈍い、けいれんを起こした、手足が思うように動かせない(片方だけでも)などが一つでも見られたら救急車を呼ぶか、脳外科医のいる病院に電話してください。

 

腸重積

めったにない病気の一つです。発症すると、10分~30分くらいの間隔で、かなり激しい腹痛を繰り返します。痛みがあるときは苦し気な顔をして、冷や汗がでたりエビのように丸くなって痛みをこらえますが、痛みが治まると元気に遊びます。この病気が進行すると腸閉塞を起こして嘔吐するようになります。またいちごジャムのような赤い血便も出てくるようになります。この状態は手術も必要となるような一刻を争う状態です。小児外科の医師のいる病院に電話して、できるだけ早く受診してください。

 

髄膜炎

めったにない病気の一つです。嘔吐・発熱・頭痛、この3つは「髄膜炎の3兆候」と呼ばれています。脳に細菌やウイルスが侵入して炎症を起こす病気です。赤ちゃんは自分で訴えることができません。発熱に繰り返す嘔吐があるとき、体を前に傾けて頭を下に向けさせようとすると痛みで泣くのが特徴です。風邪やインフルエンザ、ウイルス性胃腸炎などでも頭が痛くなることはよくありますので、あくまで髄膜炎を疑う症状と考えてください。

 

病院やクリニックに受診するときは必ず、いつ、どんな時に、どんな風に、どんなものを嘔吐したか、そのほかの症状など、それまでの経緯を医師に伝えると、より正確な診断ができます。その時の様子や吐物なども、可能であればスマホの画像や動画に収めておくとより伝えやすくなります。

いかがだったでしょうか。これらの内容をぜひ参考にしてみてくださいね。

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