断乳と卒乳の違いは?やり方とケア方法を解説

2024年5月15日6:40 AM [未分類]

皆さんこんにちは。今回は断乳・卒乳についての話題に触れますが、違いはご存じでしょうか。

赤ちゃんが生まれて母乳栄養で育児をしてきたけれど、赤ちゃんが母乳を急に飲まなくなったり、仕事復帰したいから卒業してほしいなと思っていたり、体調がしんどくなっておっぱいを吸わせ続けることが困難な状況になったり、、、母乳栄養を終了することは多々あります。この時断乳・卒乳の言葉を考えたり、どうしたらいいんだろうと悩む方もいらっしゃるかと思います。今回は言葉の意味や断乳の方法、必要なケアを解説していきますね。

~目次~

○断乳とは

○卒乳とは

○断乳のやり方

○断乳時のケア方法

○断乳・卒乳のメリットとデメリット

○断乳とは

お母さんの都合でおっぱいをやめる事。一旦母乳が出始めた状態のおっぱいを止める事を言います。

例えば、仕事を復職することになった、家の都合で母乳を与え続けることができない、お母さんの体調不良や病気などで入院して長い期間赤ちゃんと離れないといけない等、赤ちゃんにとってまだ母乳が必要な時期なのにミルクに切り替えないといけないような理由で母乳を止めることです。この場合、出てきている母乳を無理やり止めなくてはいけません。断乳のやり方とケアは後程ご説明していきますね。

○卒乳とは

赤ちゃんの都合でおっぱいをやめる事です。一般的に離乳食が始まって徐々に食べる量が増えてくると必然的に母乳の飲む量が減り、それに伴って母乳の出る量も減ってくると言われています。時期は赤ちゃんの個人差が大きく、満1歳頃から場合によっては4~5歳頃までと、かなり幅が広く、特に中止する理由もありません。

しっかり食事が摂れていて、お茶の替わりに飲んでいるお子さんもおられます。この場合は徐々に母乳分泌も減ってくるので特別なケアをする必要もなく役目を終えることになります。

こういった断乳と卒乳の違いを踏まえて、卒乳か断乳かわからないケースをご紹介します。

多くのお母さんは母乳を1年くらいは赤ちゃんに飲ませたいと思っていらっしゃいます。なので1歳頃までの離乳食を完了し、幼児食になるくらいまで、また育児休暇が終わるころまでが目安と考えられています。

このころには母乳分泌量も減っていたり、張りもほとんどなくなっていたり、夜間のみの授乳になっていたり、朝・晩のみ程度の授乳頻度になっていたりします。

そんな時期にお仕事の復職となるとおっぱいを少しでもあげ続けたいお母さんもおられるでしょう。復職してもお母さんが負担でなければおっぱいをあげ続けても問題ありません。

逆に負担を感じておっぱいをやめるなら断乳となります。

また、次のお子さんをすぐに欲しいと思っているお母さんの場合は1歳で断乳をお勧めします。

これは授乳中は卵巣の働きが抑制され、排卵がないので妊娠しにくい状態になっているためです。

特に不妊治療を経て授かったお子さんの場合なら授乳期間を1年をめどに、とどめます。そして休止状態だった卵巣の働きを再開するために断乳して排卵できるようにします。

1年以上長く授乳すると卵巣の休止期間も長くなり、再開してもその機能がうまく働かない場合があるからです。

時々こんなケースがあります

突然、赤ちゃんの方からおっぱいを吸わなくなることがあります。離乳食前でもそうでなくても、そうなったときは少し状況を見守ってミルク授乳で様子を見ながらそれでもおっぱいを嫌がるようなら断乳となります。

非常にまれなケースですが、赤ちゃんが不幸な結果に終わった場合があります。それでもおっぱいは張ってきて、母乳分泌が始まります。

この場合はすぐに母乳を止めたりせず、いったん母乳を出を促してから断乳します。

これは次に生まれてくるであろう赤ちゃんに準備するためのケアです。乳腺、乳管、乳口を一回開通させ、母乳の通り道を作ってから、無理な方法をとらず断乳することにより、次授乳になった時にスムーズな母乳分泌が臨めるからです。

○断乳におすすめの時期とは

・赤ちゃん側の条件として母乳以外の水分がしっかりとれている時期か

生後6か月頃から離乳食が始まっていきます。この時期から白湯や麦茶なども少しずつ与えて、断乳に向けての準備を始めていってください。

・春や秋など比較的穏やかな季節を選んで断乳する。

断乳後一時的に離乳食や水分摂取量が落ちる場合がよくあります。不感蒸泄の多い夏や乾燥・胃腸風邪が流行りやすい冬は脱水のリスクが高まるため、気候が穏やかな時期に断乳を始めるとよいでしょう。

・母親側の条件として

寒い時期は断乳をお勧めしません。

母親は断乳後におっぱいが張り、ゆうこ助産院では保冷剤などで冷やすというケアをお勧めしています。冬の寒い時期におっぱいを冷やすととても寒くなりますので、冬は避けた方がよいでしょう。

・赤ちゃん、お母さんの体調が健康な時に行いましょう。

○断乳のやり方とケア方法

ここからは、ゆうこ助産院直伝の断乳方法をご紹介していきます。

断乳は母とお子さんと一緒に行っていきます。

・赤ちゃんの断乳のやり方

まず、断乳の当日までしっかりと赤ちゃんにおっぱいを吸ってもらうことです。そして、やさしく目を見つめながら、「○○ちゃん(君)は大きくなったから、あと○○日でおっぱいはバイバイね」と断乳日よりも数日前から言い聞かせましょう。

赤ちゃんに言葉が理解できている、できていないとかは全く関係ありません。お母さんの気持ちは通じるものなのです。繰り返し言い聞かせることが大事です。

そして当日になれば「これでおっぱいバイバイね」と言い聞かせ、そのあとはもう授乳しません。

・赤ちゃん側の断乳後のケア方法

断乳後の水分補給は、水・麦茶などカフェインレスで甘くないものがおすすめです。

まだ離乳食があまり進んでいない様子の時期なら授乳時間におっぱいの替わりにミルクを飲ませてください。

生後9か月ごろの離乳食を3食食べられる時期ならフォローアップミルクも活躍できます。

夜中のおっぱいタイムに赤ちゃんが起きて空腹を訴えた場合は、離乳食がしっかり食べられる時期なら小さなおにぎりを2~3個とお茶や、フォローアップミルクを飲ませてください。

牛乳は1歳過ぎてから、幼児用の牛乳から飲ませてあげてください。

哺乳瓶がなくてもストローや飲み口がついているカップで飲ませてあげるとコップ飲みの練習にもなります。

授乳をしなくなっても授乳の替わりにたくさん抱っこしたり絵本を読んだりしてスキンシップを図り、子どもの精神的な安定を図ってください。

断乳初日からしばらくは赤ちゃんはおっぱいを欲しがります。でももらえないと怒ってぐずります。

お母さんはぐっと我慢します。

授乳の替わりの飲み物を嫌がるときは、お母さん以外の家族の方にお願いして飲ませてもらうなど助けてもらいましょう。

・お母さんの断乳のやり方

母乳は赤ちゃんに吸われることで刺激になり、母乳が止まらなくなるので断乳日から授乳はしません。

・お母さんの断乳後のケア方法

おっぱいは最後の授乳が終わればさらしなどで圧迫し(苦しすぎないようにね!)、保冷剤などで冷やします。

保冷剤などで冷やすと熱感や痛みが和らぎますが、寒気を伴うことがあります。なので寒い季節の断乳はおススメしません。

おっぱいの圧迫するのにさらしがない場合は普通のブラジャーに戻してタオルなどを詰めて圧迫する方法もあります。どちらにしても母乳がにじみ出てくることがあるので母乳パット等当てておくとよいでしょう。

ここだけの話、母乳パットがなくても、生理用ナプキンを代用する方法もあります。意外かと思いますが、ナプキンも清潔で、母乳パットよりコストがかかりにくいところがメリットです。

母乳がよく出ていたお母さんの場合は、半日くらいでおっぱいが張って辛くなることがあります。そんなときは圧迫を外して圧抜きをします。そしてまた、圧迫して冷やします。

最低24時間程はこれで頑張ります。24時間以上たったら一度、両手を使っておっぱい全体をおにぎりのようにぎゅっと圧迫してスッキリするくらい搾ります。そのあとすぐに圧迫!(できれば冷却も)

3~4日経ち、おっぱいがあまり張ってこなくなったら、スッキリ搾りの間隔を空けていきます。はじめは2~3日に1回→1週間に1回というような頻度で搾り、殆ど母乳がでなくなる、おっぱいも張ってこないという状態になったら、一度専門家に相談し(この場合はゆうこ助産院)断乳の仕上げ搾りをして終了とします。

もちろん、ここまでの過程にあきらめの悪い赤ちゃん(赤ちゃんも事情が分からないから仕方がないんです…)に根負けしてしまうお母さんもおられますが、そんなときはすっぱり断乳を中断して仕切り直ししましょう!

でも、赤ちゃんも大体断乳3日目くらいで意外とケロッとしておっぱいを忘れてミルクを飲んでいたりします。

いかがだったでしょうか。断乳の過程ではこちらに書かれている症例すべてに当てはまることではありませんが、上手くいかなくてもゆったりとした気持ちで再度チャレンジしてみてくださいね。

・卒乳におけるおっぱいのケア

卒乳の場合は子どもの都合でおっぱいをやめるため、それまでに授乳回数が徐々に減ってきてそれに合わせておっぱいも卒乳に向けて準備を始めています。

なのであかちゃんが卒入してもおっぱいが張るなど、トラブルなく授乳を終わらせることができるので、特にケアは必要ありません。

ただ、しこりが残っているなど、何かしらのトラブルがある場合は専門家に相談したり、見てもらったりしましょう。

○断乳・卒乳のメリットとデメリット

・断乳のメリット

「断乳」は母親主体で行います。

仕事復帰のため、次の子どもを妊娠したなど、やむを得ず断乳を選択する場合も多いかと思います。

断乳が成功すればお母さんの望む生活スタイルに戻しやすくなります。今まで避けていた刺激物(アルコールやカフェイン)なども摂取することができるようになります。

また、入眠時に授乳の習慣があった場合は、子どもの入眠がスムーズになり、夜も途中で起きることが少なくなるなど母子ともに身体面でのメリットは高まります。

・断乳のデメリット

断乳を行うにおいて、子どもがおっぱいを諦めるまでの葛藤やかんしゃくに付き合う必要があるため、受け入れてもらえるまでのかかわりには、一時的に大きなエネルギーを使うことがあります。

また、母親主体で決める「断乳」には母親自身の罪悪感が生じたり、それが逆にストレスになることもあります。
断乳を受け入れるまでの子どもの葛藤を目の当たりにするのは親として辛いものですが、その葛藤から子どもは我慢を学び、自己抑制する力を引き出すことに繋がるという側面もあります。

お母さんは授乳を拒否しながらも、子どもの存在を受け入れて、抱きしめるなど授乳以外のスキンシップを図ったり、言葉で愛情を伝えるなどして母親は子どもを。

また、断乳し始めの頃はおっぱいの張りが強くてしんどくなったり、乳腺炎になったりすることもあります。発熱するなどの症状が出てきたら早めに専門家にご相談ください。

・卒乳のメリット

として、赤ちゃんが母乳を自然に飲まなくなる時期に合わせるので、精神的・肉体的負担が少なくなります。ママもおっぱいが張りすぎて乳腺炎になるようなことが少なくなります。

・卒乳のデメリット

卒乳は赤ちゃんのペースにあわせてタイミングを待つので、いつやめられるのか分からないことから、お母さんの身体的・精神的負担が続くことがあります。

 

 

いかがだったでしょうか。「卒乳」「断乳」どちらにもメリット・デメリットがありますが、現在は母親が望む限りはおっぱいを飲ませ続けてもよいという時代の流れにあり、様々なあり方を認める考え方が広がってきています。

仕事と育児の両立などでお母さんの心や体に無理が生じるようであれば、おっぱいをやめることを検討してもよいのかもしれません。
また、授乳期間中に下の子を妊娠した場合などは授乳によって子宮が収縮することもあるので、そのときはやめる必要も出てくるかと思います。

おっぱいをやめる際に大事なのは、画一的な方法ではなくそれぞれの親子の状況や考え方にそって柔軟に進めていくことです。

ゆうこ助産院でも断乳・卒乳のご相談を受け付けております。ご不明な点や、もっとお話しを聞きたい方がいらっしゃったらお問い合わせくださいね。

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