助産院で出産するメリットとは?特徴や産後ケアなどを解説
2023年7月5日9:25 PM [未分類]
皆さんこんにちは!前回は分娩施設のご紹介をいたしました。中でも今回は助産院の魅力、メリット・デメリットを深く掘り下げてご紹介していきます。
~~~~目次~~~~
○助産院とは?
○助産師は何する人?
○分娩施設としての助産院
○助産院で分娩するメリット・デメリット
○気になる!助産院での出産費用
○産前産後のケア・サポートとしての助産院
○助産院とは?
助産所とは助産師が分娩介助を行う9床以下の施設をさします。正常分娩であれば助産師が医師の指示を必要とせずに分娩介助ができるのが特徴です。
分娩を取り扱う助産院には嘱託医師及び連携医療機関が定められています。
法的根拠は医療法第2条にあり、「助産師が公衆または特定多数のためその業務(病院または診療所において行うものを除く。)を行う場所をいう」と規定される。
また、児童福祉法に定められる助産施設についてもここで扱う。
と定義しています。少し堅苦しい表現になりましたが、助産所は一般的には助産院と呼ばれていることが多いです。
アットホームな雰囲気の中で、分娩中母親の産む力と赤ちゃんの生まれる力を最大限に引き出してくれる場所であり、助産師の細やかで心強いサポートに魅力を感じる方は多々おられます。
○助産師は何する人?
ここで助産師って何する人だろう?と疑問に思われた方はこちらで少しご紹介します。
助産師は、分娩介助の他、妊婦・褥婦もしくは新生児のケアや食事・運動指導といった健康管理、出産後の体調管理、母乳指導など、妊娠前から出産・育児に至るまで、母子の健康を守るための幅広いサポートを行っています。
日本で助産師免許を取得できるのは女性のみで、助産師国家試験と看護師国家試験に合格することが条件です。
自治体による新生児訪問といった地域に密着した活動や、思春期から成人期に対する性教育などにおいても助産師が活躍しています。
○出産施設としての助産院
出産施設には、総合病院やクリニックの他、助産院も選択肢に挙げられています。
助産院で出産を経験した人は、次回の出産も助産院を選ぶことが多いそうです。それだけ魅力的なのはどういった特徴があるのでしょうか?
まず助産院で出産するには条件が必要になります。
母親自身に感染症や合併症等がなく、妊娠中の経過に母子ともに大きな異常がない人に限られています。
帝王切開の経験がなく、骨盤位(逆子)や多胎(双子や三つ子など)でないこと、胎盤の位置に問題がないことも条件で、不妊治療による妊娠や35歳以上の高齢出産で初産の場合などは相談のうえ、受け入れ可能な助産院もあります。
助産院での分娩を検討する際はまず事前に問い合わせをしてみましょう。
◇◆◇◆◇◆病院と助産院との違いは何だろう?◇◆◇◆◇◆
医師が常駐していないので、陣痛促進剤の投与や会陰切開、吸引分娩、帝王切開といった医療行為は行われません。
高齢出産や多胎、切迫流産や早産を伴う出産も扱えません。
その為、万が一の事態に備え、必ず嘱託医や連携医療機関との連携体制をとることになっています。
また、病院では分娩台での出産が殆どですが、助産院では自由な分娩スタイルが可能です。
○助産院で出産するメリット・デメリット
メリットその1
◇◆◇◆◇◆アットホームな空間で自然な形での出産が可能◇◆◇◆◇◆
・助産院は家庭的な温かみのある雰囲気の中でリラックスして出産ができます。
・病院での出産は分娩台というイメージが強いのではないでしょうか。
助産院では布団や畳の上などで四つ這い、しゃがむ、立つ、横に寝ころぶなどフリースタイル分娩で出産に臨むことができます。
・妊娠中~出産~産後まで同じ助産師が関わり、親身になって相談に乗るなど、アドバイスをしてくれるので安心して出産に臨めます。
・安全に出産するためにはできる限りストレスの無い環境づくりが大切です。リラックスして出産に臨むことで、スムーズに分娩が進行し、産後の心身の回復も違ってきます。
・自分の産む力だけで赤ちゃんを出産するため、「自分の力で産んだ!」という達成感が実感できます。
メリットその2
◇◆◇◆◇◆家族を含めたバースプランが実現しやすい◇◆◇◆◇◆
・夫や子どもの他、親なども一緒に妊婦健診を受けられる施設が多く、出産前から家族全体で赤ちゃんを迎える気持ちが育まれます。
・夫や本人が望めば子供や自分の姉妹などが出産に立ち会うことも可能で、家族みんなで赤ちゃんの誕生の瞬間に立ち会えます。
・子どもが宿泊可能な施設も多く、上の子の預け先が見つからない場合でも安心です。
・できる限りその家族の希望を優先してくれます。
メリットその3
◇◆◇◆◇◆助産師の手厚いサポートが受けられる◇◆◇◆◇◆
・妊娠中は出産に向けた健康な体づくりが重視されるため、丁寧な食事や生活習慣の指導が受けられます。
・助産師による手厚いサポートが行われます。
・妊婦健診時から信頼関係ができている助産師に担当してもらえるため、困ったときやサポートが必要なときに気軽に質問ができます。
ここまではメリットを紹介しましたが、、、助産院分娩のデメリットは何でしょうか?
デメリットその1
~医師がいないことや設備に不安を感じてしまう~
助産院は病院のような設備はありません。また助産師は医師ではないので、医療行為も限られてきます。妊娠中問題ない妊婦さんと赤ちゃんであっても何がおこるか分からないのが出産です。
万が一トラブルが起きた場合、迅速に手厚い医療が受けられる病院と比べると不安を感じてしまうこともあるでしょう。
事前にその助産院がどこの病院と提携しているのか知っておくと、何かあった時でも安心です。
病院と助産院の違いは目次の出産施設としての助産院をご参照ください。
デメリットその2
~助産院で出産できるか最後まで分からない~
助産院での出産を予定し、妊婦健診に通っていたとしても、最後まで助産院で出産できるかはわかりません。
37週未満や、赤ちゃんが大きすぎ・小さすぎである事など、病院での出産ならあまり問題視されない内容でも助産院でお産となると一喜一憂する可能性があり、そのことで気持ちが落ち着かない場合もあります。
最終どこであっても母親と赤ちゃんが元気で出産できることが大事であり、「助産院で出産できたらラッキー」くらいの気持ちでゆったりと構えていた方が良いかもしれません。
○気になる!助産院での出産費用
助産院での出産費用は50万前後が多く、40~60万円くらいになります。病院と比較してもあまり変わりません。
しかし、入院日数や自宅出産を希望する場合は助産師の出張費が別途かかるなど、プランによって予算は変わってきます。
分娩スタイルや妊婦さんが快適に過ごす環境が整っている分費用が増す場合もあるので、自分の産みたいスタイルを考えておくとよいでしょう。
○出産以外のサポートとしての助産院
また産前産後ケアの拠点として、地域の親子をさまざまな形でサポートを行う上でも助産師が活躍しています。
助産院イコール出産施設というイメージが強いですが分娩以外にも産前・産後の相談やケア、健康指導もおこなっています。
妊娠から産後の育児などで悩みを抱えている母親に手を差し伸べる存在として、あらためて助産院に注目が集まっています。
◇◆◇◆◇◆個々の気持ちと身体に寄り添った産前産後のケアが魅力です!◇◆◇◆◇◆
出産した施設に関わらず、誰でも参加可能な産前産後クラスが充実しています。
両親学級、おっぱいケア、マテニティヨガ、アロマトリートメント、ベビーマッサージ、骨盤ケア、バランスボールエクササイズ、育児サークル、ランチ会等々☆
産前から助産師と長期的に関わる事で信頼関係を築けるため、悩みなどが相談しやすくなるのでお勧めです。
特に産後、目まぐるしい日々が始まります。
十分に体が回復していない中で、頻回な授乳・ミルクの準備、泣き止まない赤ちゃんの抱っこ、おむつ替えなど赤ちゃんのお世話で睡眠時間が満足に確保できない中、洗濯や炊事などの家事で無理をしてしまい、体調を崩してしまう人や精神的に不安定になってしまう人も。
そんな一番大変な時期の母親をサポートしてくれるのが助産院での産後ケアです。具体的にどのようなケアが受けられるのでしょうか?
◇◆◇◆◇◆出産後のケアも日帰りや産褥入院ができます◇◆◇◆◇◆
出産後母体が回復するまでの期間は6週間~8週間必要とされ、その期間を産褥期と呼ばれています。
もっとわかりやすく例えると産後は全治2か月のダメージを体に受けていることになります。
それだけではなく、ホルモンバランスも乱れて気持ちの面でも浮き沈みが激しくなり、心身ともに大きな負担がかかります。
回復までの間は最低でも1ヶ月は安静にすることが理想とされていますが、赤ちゃんや上の子のお世話でゆっくり体を休めることが難しいのが現状です。
そんな産後の一番大変な時期を乗り越えるために入院するのが産褥入院です。
総合病院やクリニックで出産した後、その足で助産院に入院する人もおられます。夫や義両親、実家のサポートが得られない人や持病などで休養を優先的に確保する必要がる人などにも多く利用されています。
ケアの主な特徴は以下の通りです。
・母乳育児に対するケア・サポートが充実しています
・助産師が24時間常駐しているため、協力体制は万全です
・授乳や抱っこ、沐浴の仕方などをじっくり学べるので初めての育児の方でも安心です
・必要に応じて助産師が赤ちゃんを預かってくれるので、心身を休めることを優先できます
・食事の用意から片付けまで行ってもらえるのでゆっくり赤ちゃんのお世話に専念できます
・産後に最適な栄養バランスやカロリーを考慮した手作りの食事などが提供されます
・国が産前産後ケア事業を推進していることから、産褥入院に助成する自治体も増えており、1~3割の自己負担で利用ができる場合があります
宿泊か日帰りでもこのようなケアが受けられます。
施設によって行われているケアが違ってくるため事前に情報収集してくださいね。
いかがだったでしょうか?助産院は妊娠中から産後まで、長期にわたって心と身体に寄り添ったサポートが行われています。
分娩施設としてだけではなく、産前産後のケアの拠点として、地域の親子が集まり仲間づくりの場にもなっています。
分娩施設を検討する際、また産前産後の過ごし方を考える際にぜひ参考になさってくださいね。